自閉症の少年が出会った音楽は充実した人生を導いてくれた

自閉症の人が、普通にピアノを演奏し、イタリア語で歌う。

そんな光景を想像することは出来ますか?彼は言いました。

「綺麗な歌詞やメロディーは自分の意思を乗せやすい。」
「学生時代や就職も音楽があったから充実した人生を送ってきた。」

自閉性障害の少年が2歳の時に出会った音楽は、自分を表現する手段となったとなりました。さらに、ハンデを乗り越えるパワーを授け、豊かな人生を導いてくれる大切なパートナーとなったのです。

今回も第15回音楽療法学会関東支部大会のシンポジウムの続き記事です。

第15回 日本音楽療法学会関東支部地方大会 へ行ってきました!

彼が出てきた瞬間に、シンポジウムが一気に明るい雰囲気に包まれたのを鮮明に覚えています。

ユーモア溢れるスピーチと、一語一語丁寧に溢れる言葉。会場からはこの日1番のユーモアを讃える笑いが起きました。

今回のシンポジストは22歳の男性でした。2歳で重度の自閉性障害(自閉症)と診断され、会話が出てこなかったとおっしゃっていました。しかし、年齢を追うごと軽度まで回復することが出来たそうです。

養護学校に通い、現在は飲食業にて厨房で調理をしていらっしゃいます。

音楽療法との出会いは平成15年。そしてこの出会いが、今日まで彼の人生に深く関わっているのです。

自閉症というハンデを持っているため、話す時に嫌な顔をされる事もあったそうです。

しかし、「ピアノは音が出るので誰でも聞いてくれる。」

そう話す彼は、「たまに会話に不便があるけど、音楽が助けてくれるから僕は僕でいられるんだ」と言っているようでした。

「ピアノは、挑戦したい気持ちも起こってきた」と話す彼は、自信に満ち溢れていました。職場でうまくいかない事があっても、精神的にうまくいった経験もあり、学生時代や就職も充実した人生を送ってきたとおっしゃっていました。

就職先を厨房での調理の仕事を選んだのも、音楽から学んだ演奏曲を仕上げる課程が料理を作る課程と似ているからだそうです。

料理も、過去に会話が生まれるきっかけとなり、音楽と同様、意思を乗せる手段となっているようでした。

ピアノの演奏と、声楽の様子が映像で流れたのをみて、自分の意思を音楽に乗せて伝えようとする意思は、強く伝わってきました。

同じハンデを持つ人にも、音楽から学んだこと、そして自閉症でも楽しく人生を送っている自分の姿を伝えていきたいと語り、スピーチは締めくくられました。

 

余談ですが、彼は今回の音楽療法学会の大会長でもある、高橋先生の教え子さんでもありました。彼のスピーチに誰よりも心を打たれていたのは、何を隠そう高橋先生ご本人でした。

13年間彼を教えてきた高橋先生の感激はひとしおだったことでしょう。音楽療法のチカラはすごいなと、改めて感じることのできたスピーチでした。

 

※今回の自閉性障害をお持ちの男性は、あまり目立った活動はされてないようなので、独断で名前は伏せさせていただきました。ご了承ください。

 

この記事を書いた人:海月ひなた

ミヅキヒナタと読む。ひよっこ音楽療法ライター。ひよっこなので、実績はまだ何もない。実はこのサイトを作成している人でもある。好きな食べ物は苺大福と納豆。小学校の時の得意教科は音楽ということで、今後に期待。

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