自律神経 機能を整えると子供にもとても良い影響を与えます。そこで活躍するのが音楽療法です。
その前に、子供の脳には3種類あるってご存知ですか?この3つの脳の育て方の順番を間違ってしまうと、子供に悪い影響を与えてしまうようなんです。
この3つの子供の脳と音楽療法はどのように影響を与えることができるのでしょうか?リズム遊びの視点から講義は進んでいきました。
(この記事は第15回 日本音楽療法学会関東支部地方大会の連載記事となります。)

子供の脳に1番大切なことは睡眠である。
公演のタイトルは「音楽・リズムで脳とこころを育てる」。今回は小児科専門医の成田先生の公演です。まず、冒頭で述べた通り、子供の脳は3種類に分けられます。
- からだの脳…寝る、ご飯を食べるなど、生活や生きていく上で必要な脳。
- おりこうさんの脳…言葉、勉強やスポーツに使う脳。
- こころの脳…幸せを感じることのできる脳。
この3つの脳をから話は展開されていきました。
日本人の子供は睡眠不足である!

子供を育てる上で1番大切な要素は、勉強よりも運動よりも何よりも「睡眠である」と成田先生はおっしゃっていました。子供の睡眠時間は年齢によって決まっているのですが、日本人の子供は平均して2時間も睡眠時間がすくないんだそうです!
睡眠をとることでからだの脳が育ちます。しかし、現代の日本はからだの脳を育てることよりも「良い心」や「人間らしい心」を求めてしまう傾向にあります。
まずはからだの脳で脳の基礎をしっかりつくる!
睡眠をたくさんとって、まずはからだの脳の基礎を作りましょうということを、成田先生は何度もおっしゃっていました。
子育てをしていると「言うこと聞かない!」「遊んでばっかり!」などという不満は誰でもあるかもしれません(笑)。しかし、睡眠をしっかりとっていれば10歳以降に自分で考えて動ける人間になるんだそうです。

やんちゃでしっかり睡眠をとっている子供ほど、幼少期はどうしようもなくても(おいw)のちのち自分で考えられるしっかりした子に育つそうです。
塾にも行かせているし、スポーツもやってるから問題ない?!


「わたしの子供は大丈夫よ。きちんと塾にも行かせていて、成績も優秀だし、サッカー教室でもレギュラーをもらっているわ。」
なんてお母様も、睡眠についてはきちんと考えているでしょうか?睡眠を十分にとるということから、勉強やスポーツを学ぶ。そして良い心や人間らしい心を育てる。
この順番がとても大切で、睡眠不足でありながら勉強やスポーツをやらせるということは、脳の発達を考えるとよく無い!と成田先生は警鐘を鳴らしています。
近年、思春期による自律神経の病気が増えている。


自律神経失調症などの、自律神経による病気が思春期に増えているそうです。睡眠をとることで育つからだの脳は自律神経と関係しています。幼少期の睡眠不足は、思春期になって影響が出る場合があります。
それだけ、成長過程での睡眠は大切なんですね。



思春期になって、自律神経によって起きれない人には厳しいようですが「大人なんだからなんとかしなさい!」という感じのようです。私も早起きは苦手なので耳がいたですねぇ…(笑)。
音楽療法は、自律神経(からだの脳)に良い影響がある!
リズム遊びによる音楽療法が、自律神経に良い影響を与えることがわかっています。それは、文部科学省のサイトでも確認することができます。
リズム遊びによって心拍数が下がり、リラックス状態を確認!


リズム遊び後、心拍数が下がったというデータ結果となりました。「楽しい!」と思って行っているにもかかわらず、心拍数の上昇はあまりみられなかったということです。継続して続けると数値はより安定してきたとおっしゃってました。
自律神経の値が下がり、緊張が緩和されていた!
リズム遊び後、副交感神経が勝っている状態を確認できました。こちらのデータも継続することでより安定してくるとおっしゃていました。



これは私の見解ですが、リズム遊びよりも激しい「ダンス」をやっている人はみんなアグレッシブだなぁと感じていたのですが、これも何か科学的根拠がありそうですね
自律神経の活発量が増え、病気になりにくい状態に!
リズム遊び直後は、自律神経の活発量が少しだけ活発になる程度だったそうです。しかし、継続していった結果、なんと、自律神経の活発量がとっても向上したというデータが…!!発達途中なのに、自律神経の活発量が増えるということは、驚くべき結果なんだそうです。
リズム遊びはこころの脳も育ててくれる。
そしてこのリズム遊びは、からだの脳だけでなく、こころの脳も育ててくれます。こころの脳は前頭葉と関係しています。
リズム遊びの最中に、脳がどんどん活性化されていくというデータがありました。
つまり、ものごとを判断する機能も活性化しているということにもつながるのです。とくに、「自発的に真似をしたくなった時」に前頭葉が発達していくとのことなので「自発性」がとても重要であると成田先生はおっしゃってました。
よく寝て生活に音楽とリズムを取り入れればしっかりした大人になる。


まだまだ学歴社会ということもあって、小さいうちからたくさん勉強をしなければならなかったり、習いごともたくさんあったりと、最近の子供は大人並みに忙しいのかもしれません。
それにもかかわらず、睡眠は不足している…。脳が休まるひまがなさそうです。しかし、成田先生がおっしゃっているように、まずは睡眠です。そしてリズム遊びで脳を鍛えれば、きっと素晴らしい成長を見せてくれそうな予感です。
もし私が子供を産んだら、絶対たくさん睡眠を取らせようと決意した公演でした(笑)。



それにしても「リズム遊びで早起き元気脳実行委員会」ってすごいインパクトのあるネーミングだなぁ…。文部科学省のセンスはすごい(笑)。
成田奈緒子先生とは?
最後に、成田奈緒子先生がどんな方なのかまとめてみました。
プロフィール
文教大学教育学部特別支援教育専修教授、日本小児科学会認定小児科専門医、発達脳科学者、子育て科学アクシス代表
その他詳しいプロフィールは下記サイトへ。
主な出版物
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