以前は企業などで推奨されていたマルチタスク。最近では、一度に多くのことを行うよりも、1つのことに集中し、それを終わらせてから次のタスクに移る方が効率が良いという研究データがあるそうです。
メンタリズムで有名なDAIGOさんは、マルチタスクを推奨する会社はさっさとやめた方が良いなんて言っていました(笑)。
そんなマルチタスクですが、介護の世界では同時進行はリハビリになると言われています。マルチタスクとは少し異なりますが、今回は高齢の方の同時進行リハビリについてのお話です。

「高齢の方は同時に何かをする」ということが、脳を鍛えることにつながります。その代表的な例を3つご紹介します。
1)楽器演奏は、脳みそフル回転。


リハビリなんてまだまだ先の話だ!という元気な高齢の方是非挑戦して頂きたいのが楽器演奏です。楽器演奏は、あらゆることを同時に行います。
メロディーを聴いて、譜面を見ます。そして頭で考えて音を出し(例えばギターならば次のコードを考えて引くという意味です)、耳で自分の奏でた音を確認します。
これって、かなり高度なことですよね。さらにそこに歌を加えたり、周りとアンサンブルをしなければならないとなると、難易度はさらに上がります。
そして要求される集中力。これは脳みそをフル活用しないと出来ないことです。認知機能の低下に役立ちそうです。
さらに体力に自信があるなら、金管楽器や木管楽器、ハーモニカなどにチャレンジするのも良いと思います。肺活量が必要となってくるため、呼吸器官も鍛えられます。
2)音楽エクササイズでシェイプアップとストレス解消!


いかに効率よく運動を行うかということは、高齢の方になるほど重要な課題となってきます。なぜなら若い時よりも体力の限界が早いからです。
実は、運動するだけよりも、音楽と合わせた方が効果的というデータがあります。ちょっとした簡単な動きも、音楽に合わせた方が運動効果が高いのです。
もちろん、本格的に体を動かしたいという元気な方は、積極的にダンスなどを取り入れてください。フラダンスや社交ダンスは、高齢の方にも人気のダンス教室です。
中にはチアリーディングをやっている高齢の方もいます。この方達の写真を見ると、みなさん外見もお若いです。ダンスは細胞レベルから人を若返らせるチカラがあるような気がします。



ひよっこ音楽療法ライター海月”]海外にまで行ってる本当に凄い団体です!
もちろん、高齢の方は無理は禁物です。自分は大丈夫なんて思っても、体は衰えています。無理のない程度に頑張りましょう。健康のためにはじめたダンスで怪我をしてしまっては元も子もありません。骨を折ってしまえば、治りも遅くなります。怪我には十分に気をつけて欲しいと思います。
そのためにもダンス前後のストレッチは念入りに。
3)最近の音楽レクリエーションは様々な工夫がされている。


介護施設やデイサービスなどで行われる音楽レクリエーションには、介護予防のために様々な工夫がされています。
運動ほどではないものの、簡単な動きを取り入れたもの、ゲーム性に富んだもの、脳をたくさんつかうものなど、私たちでもちょっと難しく感じるようなものもあります。
そして何よりレクリエーションの良いところはコミュニケーションが生まれること。
遊びながらの介護予防は、楽しくて思わずお隣さんに声をかけてしまったり、一緒に笑うことで仲間意識が生まれ、親近感が湧いたりと思わぬ効果も期待できます。
最初は「レクリエーションなんて子供の遊びだろ」なんて思っていた方も、仲間ができることで楽しみになっていく、なんてこともあるんです。
レクリエーションそのものよりも、参加している人たちが楽しそうにしていると、なんだか自分も参加したくなる心理が生まれるのでしょう。
一番重要なのは子供のように楽しむこと


最後に、参加をしていくと不安になることも多いと思います。周りはできてるのに自分はできない…。中にはそんな劣等感に悩まされることもあるでしょう。
一番重要なのは楽しむこと。音楽をただ楽しむことです。高齢の方は「上手い下手」「出来る出来ない」よりも、自分が「楽しいか楽しくないか」が最も重要です。
そして、音楽と積極的に関わることによって、自己実現態度や自己肯定感があがる、幸福感や健康の不安が消えるといった研究データがあります。



さらにダンスや楽器演奏をしている人は、していない人に比べて外見が若いという…私のデータもあります。
まずは積極的に参加して見ること。これがいちばんのリハビリとなるのです。健康状態と相談して、無理のない程度にエンジョイしてください!
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