東京大学医学部付属病院にて認知症のセミナーへ参加してきました【その2】

前回、東京大学医学部付属病院にて認知症セミナーへ足を運んだという記事をアップしましたが、今回も同じシリーズの認知症セミナーへ行ってきました!今回も、認知症についてしっかり勉強してきちゃってる様子をお届けします!

前回の記事が気になる方は下記リンクよりどうぞ。

東京大学医学部付属病院にて認知症のセミナーへ参加してきました【その1】

今回のセミナー詳細はこんな感じです。

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2016年度 高齢者教室
2017年2月8日
東大病院入院病棟A 15階大会議室にて
「認知症による諸症状」
東京大学医学部付属病院 老年病科 亀山 祐美先生

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今週もたくさんの方がいらしていて、認知症の関心は本当に高いなぁと実感しています。

厚生労働省の発表では、2025年には認知症の患者数は700万人を超えると推測しているそうです。これは、65歳以上の高齢者のうち5人に1人が認知症になる計算のようです。今後、もっと大きな問題になるんだなぁと考えると、人ごとはではありませんね。

本日のセミナーですが、先生は素敵な雰囲気をお持ちの女性の方でした。とても親しみやすい講義でわかりやすく穏やかな雰囲気で進むセミナーに、難しテーマながらリラックスして講義を聞くことができたと感じています。

今回は認知症による詳しい症状と、どうすれば改善されるのか?をテーマにBPSDを中心に進んでいきました。BPSDという言葉を私は初めて聞きました。認知症になると現れる症状は大きく分けると2つあり、そのうちの1つがBPSDだそうです。

◼︎認知機能障害…脳からくる機能障害で誰にでも見られる症状

言葉の障害や判断力低下、記憶障害などです。テレビドラマなんかでもよく描かれていいる症状ですよね。科学的な根拠に基づいた症状なので、脳の機能がうまく働かないことによって誰にでも出てくるもののようです。

◼︎BPSD(Behavioral Psychological Symptom of Dementia)…行動や心理症状

認知機能障害が現れることにより、心が不安になって現れる症状および、そこから来る行動なのかなぁと私は受け止めました。だから、ひどく出るひともいれば、そんなにひどく無い人もいる、そんな感じかなぁと思っています。

脳の正常に機能している部分がまだ残っていると「自分の中のフツウが出来なくなってきている」ということがきちんと認識できてるんですよね。それでも一生懸命家庭や社会などのコミュニティに適合したいんだけどできない歯がゆさから出てしまう、そんな感じのもののように思いました。もちろん、性格や周りの環境によってその度合いも変わってくるので、ある程度軽減ができるものと考えて居るようです。

そこで出てくるのが様々な療法だったり、デイサービスなのかなぁと感じています。昔話をしたりして自信を取り戻してあげるのも良いというお話をされていました。

BPSDに関して重要なキーワードは「安心」と「自信」なのかなぁと思いました。病気になったことによる不安、そしてフツウのことがフツウに出来なくなることによる自信喪失。

よく考えたら、これって私たちが風邪をひいたときにも一時的に感じることなのかなぁなんて思っちゃいました。

高熱が出ると「私、大丈夫なんだろうか?他の変な病気じゃないよね?」と不安になりませんか?「あー、体調崩しちゃってたくさん迷惑かけちゃったなぁ。数日休んで明日は通常どおり働けるだろうか?」と少し自信を無くしたりしませんか?

そんなとき「大丈夫だよー。この薬飲むと治りますよー。」とか「今まで積み上げてきたものが数日で出来なくなる事はないよぉ。」なんて言われるとちょっと「ほっ」としたりして。そんな状況に似てるなぁと。

もちろん知識も必要だと思いますし、介護をする側の精神状態のケアも大事になってくるとは思います。でも、すごく特別すぎること、と捉えすぎてしまうのもなんだか違うのかなぁなんて感じました。

今回の講義で、認知症の行動障害は、患者も自分なりの考えや理由があってそのような行動をとっているんだなぁと思ったんですね。もちろんそれは私たちでは理解しづらい部分も多いのですが、でもキチンと考えて感じて行動してるように思いました。その根幹の部分は私たちと変わらないのかなぁなんて。

寂しくなると泣いてしまったり、嬉しいと笑顔になったり。行動には意味があると思います。

・恋人に会えないから(理由)寂しくなって(感情)泣いてしまった(行動)
・美味しいものが食べられて(理由)うれしくなって(感情)笑顔になった(行動)

私は今まで、ただたんに「とても大変な病気だ!」「意味不明な行動を起こしてしまう病気だ!」と思っていたんです。人間の尊厳を失わせる「得体のわからない恐ろしい病気」のようにとらえていました。しかし、「認知症の患者さんも私たちと同じような思考回路で行動を起こしている」ということは「人間の尊厳をたもつために一生懸命あがいている」という風に少し考え方が変わりました。

もっとも、症状がもっと進むとBPSD自体が現れないそうです。BPSDは必死に人間らしさと保とうと頑張っている証拠なんだなぁと感じたらとても見方が変わりました。音楽療法に関する考え方にも今後影響が出てきそうです。

そういう不安を少しでも軽減できたらなぁ、そして自信を保たせてあげたいなぁ、そのために音楽療法はなにができるんだろうか…?うーん。私にはまだまだ勉強が必要なようです。

しかし、今回のセミナーはいろんなことに気づかせてくれるものだったなぁと思ってます!

Hinataプロフィール写真

この記事を書いた人:海月ひなた

ミヅキヒナタと読む。ひよっこ音楽療法ライター。ひよっこなので、実績はまだ何もない。実はこのサイトを作成している人でもある。好きな食べ物は苺大福と納豆。小学校の時の得意教科は音楽ということで、今後に期待。

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