【コラム】人生は自分で演出できる。

関口監督のトークショーを聞いて、私なりに感じたことをコラム風に書いてみました!

前回の記事との関連記事となります。

関口祐加監督の認知症のトークイベントへ行ってきました!

自分の演出した生活が人生となる。

~楽しい演出と悲しい演出、両方出来るならどっちを選びますか?~

「好きなコトやできるコトを伸ばす。それは出来ないことを出来るようにするより楽で楽しいじゃない?」

今まで「できないコトをできるようにするコトが美徳だ」という風潮の中で生きてきた私たちからすれば、少々トゲのある言葉のように聞こえます。

「頑張ってきたから今のワタシがある。」

それを否定することはワタシを否定することにもなります。だから、「頑張れないできない自分」に価値はない。

本当にありのままのワタシでは価値は無いのでしょうか。「普通」のコトが出来ないワタシは許せませんか?

仕事や家事が苦手なだけで、あなたの大切なヒトを嫌いになるのでしょうか?価値が無いと感じるのでしょうか?きっと答えはNOですよね。

他人を大切に思いやれるアナタが、どうして「ワタシ」を大切にできないのでしょう?

相手が出来ないところは助け合い、自分に出来ない分野をお任せしたり、手伝ってもらったり。そうやって私たちは生きています。

そしてそれは、効率的でもあり、社会の仕組みの原点であり、人とのつながりの素敵な部分だと思います。認知症のヒトもその介護するヒトも「大切なヒト」。

生きているだけで価値がある。

頑張れなくても大切なワタシ。出来なくても大切なワタシ。

頑張れなくても大切なアナタ。出来なくても大切なアナタ。

だからワタシとアナタで助け合う。

今回の講演会には、そんなテーマが隠されていたのでは無いかと感じています。そしてそれは、認知症の方や介護をする方だけではなくストレス社会で生き抜く私たちにも通じるテーマのように思います。

関口監督は

「母が認知症で良かった!ボケたっていいじゃない!」

「怒ったり泣いたり、ありのままでいるコトは、ヒトとして素敵なコトだ!」

とおっしゃっていました。

もちろん、お話を聞いていると関口監督が大変ではなかった訳ではありません。関口監督自身も股関節の病気により要支援2の認定を受けています。お母様は認知症になって2年間引きこもっていたそうです。一般的な感覚で言うと、「かわいそうに…」と感じますよね。

しかし、この講演会を通じて、関口監督やお母様に対して「かわいそう」なんて思った瞬間はありませんでした。それよりも「関口監督楽しそう」と感じましたし、お母様に対しても「なんだか幸せそうだな」と感じる瞬間の方が多かったです。

認知症の介護を「楽しそう」と感じたり、認知症の患者さんを「幸せそう」と思ってしまうことは「おかしい」と批判の対象になってしまうかもしれません。

中には「不謹慎だ」と感じる方もいらっしゃるでしょう。しかし、関口監督のお話を聞いて、認知症介護ドキュメンタリー映画の講演会にも関わらず、病気や障害のないワタシにも「もっと人生を楽しもう!」と思わせるパワーがあったんです。

それは「こんなに大変な人たちもいるんだから、ワタシは障害も病気も無いのだから頑張らなくちゃ。」という哀れみの目線ではなく、「人生の見方を変えると、もっと楽しくなりそう!」とワクワクさせる何かだったのです。

勘違いをして欲しく無いのは、「楽しい」と「楽」は違うということです。関口監督は「認知症の介護は楽だよ~」なんてことは一言も言ってません。「大変だったんですよ~」と笑顔で何度もおっしゃってました。しかし、認知症の方は突然意味もなく暴れたり、泣き出したりする訳ではないそうです。少しづつ弱くなっていく脳の記憶するチカラに、戸惑っているだけで、それがちょっぴり強く行動で、感情を表してしまうのです。

よく考えるとそれは、異常な行動ではなく、人間として普通の感情からくるものだと思いませんか。認知症の介護は、私たちの人間関係と同じように、「相手を理解して向き合うこと」と考えると、「患者」や「介護」という壁は、少し薄くなるのかなと感じました。

出来なくなっていくことや出来ないことに目を向けるのではなく今出来ることは何だろう?

頑張れなくても、出来なくても大切なアナタとワタシ。アナタとワタシ、みんなでいれば頑張れるし、出来るようになるかもしれない。

ワタシの人生を映画と考えるなら、監督も演出もワタシです。楽しい演出と悲しい演出、両方出来るなら、ワタシは楽しい方がいいです。

認知症の方と一緒に楽しく生きて行くヒントが、そして普段の生活をもっと豊かにするヒントが、映画「毎日がアルツハイマー」にはたくさん詰まっているようです。認知症の方のケアをしている方もそうで無い方も、どんな方でも何かを感じて、それをパワーにするチカラがある映画なのではないかと予感しています。

今回は「毎日がアルツハイマー ザ・ファイナル」についての講演会でしたが、シリーズとなっているので、すでに前作まではDVDが発売されています。

そして現在、編集、仕上げ作業を行っている「毎日がアルツハイマー ザ・ファイナル」はクラウドファンディングを募っています。賛同された方はぜひ支援してみてはいかがでしょうか?

 

『毎アル ザ・ファイナル』完成応援プロジェクトについて

 

Hinataプロフィール写真

この記事を書いた人:海月ひなた

ミヅキヒナタと読む。ひよっこ音楽療法ライター。ひよっこなので、実績はまだ何もない。実はこのサイトを作成している人でもある。好きな食べ物は苺大福と納豆。小学校の時の得意教科は音楽ということで、今後に期待。

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