認知症でよくみられる行動「徘徊」について言葉の見直しが行われているらしい。

認知症になるとよくみられる行動の1つとして挙げられる行動「徘徊」。この言葉について見直しがなされているというニュースが朝日新聞で記事になっていました。

 

あまり意識はしていませんでしたが、徘徊という言葉にはどうしてもマイナスなイメージがあります。中高生が深夜徘徊していたら、補導対象です。あまり良い意味では使われていない2文字という「印象」があります。そう、あくまで印象です。

 

しかし、「夜の巷を徘徊する」というテレビ番組名にもなっているように、一概にマイナスの意味で使われる訳ではありません。

 

今回の記事に関しては、徘徊の意味はもちろんですが「言葉が持つイメージ」がポジティブではないことが、大きいのかなと感じています。

 

「徘徊」という言葉は使わない!

 

「徘徊」使いません 当事者の声踏まえ、見直しの動き(朝日新聞:2018年3月24日)

 

実は、数年前にハフィントンポストでも似たような記事が出ています。

 

徘徊ではないという理解のすすめ(ハフィントンポスト:2014年08月12日)

 

認知症における行方不明者の届出は年々増えてきています。2016年においては1万5000件の被害届が提出されました。認知症の患者数も年々増えてきていることを考えると、今後もこのようなことが増えてくると予想されます。

 

認知症の人は、私たちの生活の中でも今以上に身近な存在となってきます。

 

今回朝日新聞の記事について思うのは、徘徊の言葉の意味やイメージによって認知症の方との壁を作らないようにしようというメッセージ性の方が強く感じられました。

 

そもそも、徘徊というのはどういった意味を持つのでしょうか?

 

徘徊に意思は含まれない、「目的なく」ウロウロすれば徘徊

 

 

徘徊という言葉を調べると、病気を診断された方に関してはきっぱりと線引きがされているんだな、ということが分かります。

 

徘徊

1)目的もなく,うろうろと歩きまわること。うろつくこと。 「夜の巷(ちまた)を-する」
2)葛藤からの逃避,精神病・認知症などにより,無意識のうちに目的なく歩きまわること。

Weblio辞書より

 

1については、私たちは「散策」という言葉を使います。そのため徘徊が持つ言葉のイメージはどうしても2の方が強い印象です。

 

散策という言葉を使えば、きっと問題にはならなかったと思います。なぜなら私たちも頻繁に使う言葉だからです。

 

散策

特別な目的もなくぶらぶら歩くこと。散歩。 「公園を-する」

Weblio辞書より

 

「ハイ」という言葉の音も介護の世界ではネガティブな印象です。これはあくまで私の印象ですが、「ハイ」がつく介護の言葉に関しては「排泄介助」ということばが浮かび上がりました。

 

言葉の持つ意味同様、言葉が持つ音も関係しているのでは無いかと思います。

 

今回のような記事が出ることは、非常に良いことだと思っています。認知症の方の行動を「個性」の延長上として捉えよう、もっと身近な存在として受け入れよう、そしてサポートしていこうよという呼びかけのように感じました。

 

認知症の人も「買い物したくて外出しただけ」

 

認知症の人が取る行動1つ1つに意味があるということは、少し勉強すれば分かることです。

 

外出して結果帰ってこれなくなってしまったとしても、それは「ビールを買いたくてコンビニに行こうと思ったけど、何を買いたいのか分からなくなってしまって、そうしたらどこに行こうとしていたのかも分からなくなってしまって、ちょっと戸惑ってしまった結果、長時間ウロウロしてしまった」

 

というような脳の過程があります。

 

行動の動機は私たちと変わらないにも関わらず、認知症というだけで「変な行動をしてる人」という無意識な線引きをしてしまっていた結果使われた言葉が「徘徊」だったのだと思います。

 

これが「認知症」という診断が下されていなければ、「散歩したくて道に迷っただけ」「買い物したくて目的を忘れただけ」の人。

 

認知症の人だからといって、私たちがあまり使わない言葉を使う必要性は、確かに無いですよね。

 

勝手に言葉で壁を作らない意識から

 

音楽療法っていいね!

 

今後日本でどんどん増えてくる認知症患者。一緒に暮らしていくためにも、まずは勝手に言葉で壁を作らない意識が大切だと思います。

 

言葉が持つ意味は関係がなく、その言葉を私たちも同様に使うのかどうか?

 

認知症の方もおんなじ人間です。突然別人格が生まれて意味不明な行動を始めているわけではありません。近年、認知症に関する理解は進んでいると感じてはいますが、まだまだ認知症が「とてつもなく恐ろしい病気」と思われているような気もします。

 

病気の理解はもちろんですが、認知症の方、障害をお持ちの方、高齢の方、みんな同じ「人」であるというベーシックな意識が1番重要なのでは無いかと感じています。

 

ひよっこ音楽療法ライター海月
私は介護って言葉もあんまり好きじゃなーい!
Hinataプロフィール写真

この記事を書いた人:海月ひなた

ミヅキヒナタと読む。ひよっこ音楽療法ライター。ひよっこなので、実績はまだ何もない。実はこのサイトを作成している人でもある。好きな食べ物は苺大福と納豆。小学校の時の得意教科は音楽ということで、今後に期待。

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